- 新たな診療取り組み
TAVI:Transcatheter Aortic Valve Implantation経カテーテル的大動脈弁留置術
TAVI(タビ)とはカテーテルを使って
人工弁を患者さんの狭くなった大動脈弁の中に留置する手術法で、
従来の手術と異なり心臓を止めずに治療可能で、
体への負担が軽いのが魅力です。
劣化したTAVI弁の内側に新たなTAVI弁を留置する
最先端医療 『TAV in TAV』
兵庫県で最初の認定施設として県広域からの受け入れ体制を整備。
TAVIは本邦で2013年に認可されてから丁度10年が経過し、大動脈弁狭窄症診療には不可欠な存在となりました。一方でTAVIで使用する人工弁は、開胸して外科的に植え込む生体弁と同様にウシやブタの生体組織を化合・処理して作成するため、遠隔期に劣化する可能性があります。劣化が強いと狭窄症の再発や逆流が生じて心不全を発症するので再手術が必要となります。
この再手術方法として、劣化したTAVI弁の内側に新たなTAVI弁を留置する『TAV in TAV』という方法が2023年になり一定の条件のもとで認可され、当院が兵庫県で最初の『TAV in TAV実施施設』の認定を受けました。幸い当院でTAVI治療を行った患者様には現時点で本治療が必要な方は見当たりませんが、本原稿を執筆している2023年4月末の時点では当院が県内では唯一の認定施設であるため、県内広域からの受け入れ体制を整えました。
新たなTAVI弁の留置の様子
新たなTAVI弁の拡張前
拡張途中
完全拡張
当院では最先端のTAVI治療を提供いたします。
当院は2020年1月に兵庫県初の『TAVI専門施設』として認定されました。また、2021年10月には兵庫県初の『透析症例に対するTAVI実施施設』にも認定されましたが、透析症例へのTAVIは難度が高いために認定取得のハードルが高く、1年半以上経過した現時点でも県内の認定施設は当院のみです。そのために症例の集約化が生じ、その実績は国内でも指折りです。また、県内唯一のTAVIプロクター(自施設だけでなく、他施設での手術指導を認可された指導医)が在籍する施設でもあり、本治療をリードする立場となっております。
当院のTAVIを支援いただく皆様へのメッセージ
当院のTAVIがここまで発展できたのは、多数の患者様をご紹介いただいた紹介医の先生方のおかげであり、また初回外来から入院中ならびに退院後のフォローまで、数えきれないほど多くのスタッフの方々に支援いただいているおかげでもあり、この場を借りて謝意を伝えたいと思います。
- TAVI指導医・プロクター
- 循環器内科部長 当麻 正直
- TAVI画像解析責任者
- 循環器内科部長 宮本 忠司
- TAVI外科部門責任者
- 心臓血管外科部長 田村 暢成
- TAVI担当麻酔科医
- 麻酔科部長 田中 具治
麻酔科医長 小川 達彦、黒田 光朗、至田 雄介