兵庫県初の『専門施設』に認定 大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療 TAVI

兵庫県初の『専門施設』に認定 大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療 TAVI

Transcatheter Aortic Valve Implantation;TAVI経カテーテル的大動脈弁留置術

TAVI(タビ)とは開きが悪くなった大動脈弁の中に

カテーテルを使って人工弁を留置する新しい手術法で、

従来の手術と異なり心臓を止めずに行え、人工心肺も不要です。

そのため体への負担が軽いのが魅力です。

更に当院においてはほとんどの症例で

局所麻酔で1cm未満の傷で治療する『超』低侵襲TAVIが可能です。

TAVIを実施するには厳しい基準をクリアして施設認定を取得する必要がありますが、最近になり更に厳しい基準をクリアした施設は『専門施設』として認定される制度が導入されました。その認定基準はわかりやすく記載すると①TAVIの実績、②学会への協力体制、③学会が認定する『TAVI指導医』が在籍すること、が主な条件です。このたび2020年1月16日に当院が全国でも数少ない『専門施設』として認定されました。

これは兵庫県では最初であり、この時点では同じ近畿圏でも京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県にはまだ存在しない希少な認定のため、非常に光栄なことと思っております。これも一重に我々を信用して多くの患者さんを託していただいた紹介医の先生方のおかげと感謝申し上げます。

また、重症な症例が多いにも関わらず極めて良好な成績を維持できているのは、共に手術に参加してくれている多部門から形成する『ハートチーム』のメンバーのおかげであり、また初回来院から退院までの間に様々な形で患者さんを支援いただいている全てのスタッフの協力のおかげでもあり、この場を借りて謝意を伝えたいと思います。更には心臓以外の病気を持つ患者さんも多く、当院の他科の先生方には緊急対応を含めて何度も助けていただいており、当院の総合力の有難さを実感しています。

これまで手術方法に様々な改良を加え続け当院独自のスタイルを作ってきましたが、これからも『専門施設』の称号にふさわしい、更に質の高いTAVIを求めて改良を続けたいと思っています。

循環器内科部長   当麻 正直
心臓血管外科部長  大野 暢久