すべての重篤な小児救急患者を必ず受け入れる「小児救急医療の最後の砦」小児救命救急センター

すべての重篤な小児救急患者を必ず受け入れる「小児救急医療の最後の砦」小児救命救急センター

小児救命救急センターに指定されました

当院は、平成29年4月1日に兵庫県知事から「小児救命救急センター」に指定されました。
これは全国で13施設目となり、近畿2府4県では初の指定となります。(兵庫県立こども病院と同時指定)

小児救命救急センターとは


【参考資料】厚生労働省医政局指導課「小児救急医療体制の現状」

すべての重篤な小児救急患者さんが地域において必要な救命救急医療を受けられる体制を整備するため、厚生労働省は、平成22年度予算から「救急医療対策事業」において「小児救命救急センター事業」を創設しました。その指定要件は、「診療科を問わず、すべての重篤な小児救急患者を24時間体制で必ず受け入れる」ことや小児集中治療室(PICU)を6床以上整備していること、小児救急医療の臨床教育の実施を行うことなどです。平成28年度までに12施設がその指定を受けています。

小児救命救急センターの一覧(平成28年3月現在)

病院名 都道府県
筑波大学附属病院 茨城県
埼玉医科大学総合医療センター 埼玉県
埼玉県立小児医療センター 埼玉県
国立成育医療研究センター病院 東京都
東京都立小児総合医療センター 東京都
長野県立こども病院 長野県
静岡県立こども病院 静岡県
あいち小児保健医療総合センター 愛知県
四国こどもとおとなの医療センター 香川県
九州大学病院 福岡県
熊本赤十字病院 熊本県
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 沖縄県

当院の小児救急・集中治療体制

当院は、開設時に8床のPICUを設け、小児救急・集中治療体制の整備とともにあらゆる重篤小児患者の受け入れに取り組んできました。さらに周辺医療機関との連携を構築する中で、ドクターカーを活用した、当院小児救急スタッフによる迎え搬送の体制を整えました。その結果、阪神圏域の重症小児患者は当院に集約されつつあります。

当院ドクターカー兼DMATカーの画像

当院ドクターカー兼DMATカー

神戸新聞2017年2月22日の記事よりの画像

写真:神戸新聞2017年2月22日の記事より

小児救急患者さんの特徴として、圧倒的多数の軽症患者の中に少ないながらも重症患者が一定数存在し、さらにその場合の重症化が早いという点があげられます。このような重症患者の予後を少しでも改善する取り組みとして、我々は、周辺消防機関と連携して救急現場にドクターカーを派遣する「小児ドクターカー」の運用も行っています。これは、全国でも他に類を見ない取り組みであり、その要請件数は、開始1年3ヶ月で300件に達しようとしています。

ヘリポートに着陸しようとするドクターヘリの画像

ドクターヘリと当院ヘリポート

当院PICU(小児集中治療室)の画像

当院PICU(小児集中治療室)

小児救命救急センターには、小児救急医療の最後の砦として、より広域から患者さんを受け入れることも求められます。当院は阪神圏域で唯一ヘリポートを有する病院であり、これまでも中国地方や和歌山方面からのヘリコプターによる小児患者搬送の受け入れの実績があります。今後も継続して受け入れ態勢を整えていきたいと思います。

また、小児救急医療に関する医師、看護師、救急救命士への卒前卒後の教育も小児救命救急センターの役割の一つです。教育面での体制の充実も図り、今後の小児救急医療の発展にも寄与したいと考えています。当院での研修を希望される方を広く募集致します。

最後に

これまで提供してきた小児救急診療が大きく変わるものではありませんが、今回の指定を受け、当院では、阪神圏域のみならずより広域の皆様に安心して医療を受けていただけるよう体制の充実に取り組んでいく所存です。地域の皆様におかれましては、どうぞご支援を賜りますようお願い申し上げます。

この特集については下記の「あまが咲だより」にも掲載されています: 

あまが咲だより 第32号

あまが咲だより 第32号

  • 発行:2017年1月
  • [巻頭]病院長 新年のご挨拶
  • [診療科紹介]小児救急集中治療科 / 漢方内科
  • ●『認知症サポーター養成講座』を開催。私たち、認知症サポーターになりました!
    ●第15回 大阪千里メディカルラリーに出場してきました!
    ●ぶらり〜っと病院探訪「外来レストラン 兼 職員食堂『遊仙』」
    ●新企画のご案内!
  • あまが咲だより(第32号)を読む[PDF:2.2MB]