対象とする主な疾患

蜂巣炎、丹毒

皮膚の下に細菌が感染して赤くなったり、腫れたりする病気です。軽症であれば飲み薬で治りますが、点滴が必要なこともあります。抵抗力が低下している場合は、細菌が血液中に入ったり、筋肉にまで感染が及んだりすることもありうるため、緊急検査の上で入院治療を行います。

帯状疱疹

難治性の神経痛を予防、軽減するため、早期に十分な治療をする必要があります。軽症であれば飲み薬で治療しますが、重症の患者さんや抵抗力が低いと思われる患者さんは入院の上で点滴治療を行います。

薬疹・中毒疹

体外性物質が体内に入り生体に障害を与え、その結果として生じた皮疹を中毒疹といいます。薬が原因であれば薬疹です。まれに重症化し、水ぶくれ、ただれ、発熱が生じ、入院の上でステロイドの飲み薬、点滴を必要とすることがあります。免疫グロブリンを大量に点滴する治療も可能です。貧血や肝障害合併の可能性もあり、原因追及も含めて採血、皮膚生検を行い診断、重症度判定を行います。アナフィラキシーショック原因究明のため、プリックテスト、皮内テスト、再投与試験(必要性が高く、リスクの低い場合)も行っています。エピペンの自己注射処方も可能です。薬やウイルス感染でおこることが大半ですが、原因検索によりがんを含めた内臓の病気がみつかることもあります。

水疱症(天疱瘡、類天疱瘡など)

自己抗体という、皮膚を攻撃する血液中の因子により、皮膚や口、眼の粘膜に水ぶくれ、ただれの生じる自己免疫疾患です。軽症ならステロイドを塗ることや、ステロイド以外の飲み薬で症状をおさえられることがあります。中等症以上はステロイドの飲み薬が治療の中心になります。重症、難治の場合は、大量の免疫グロブリン点滴や血漿交換といった高度治療も行っています。

膠原病

湿疹、日焼けやしもやけのように見える皮膚症状をきっかけとして、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎といった膠原病が診断されることがあります。膠原病が疑われる場合、採血や皮膚生検などの検査を行っています。必要に応じて膠原病リウマチ内科をはじめとする他の診療科とも連携して治療しています。

皮膚の良性および悪性腫瘍

まず、ダーモスコピー検査や、皮膚生検および病理組織検査を行って、診断を確定します。手術も行っており、皮膚悪性腫瘍に対しては手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法を組み合わせて最良の治療を行っています。悪性黒色腫に対しては免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボ(ニボルマブ)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)による治療も行っています。

皮膚潰瘍・足病変

多くは皮膚だけの問題ではなく、閉塞性動脈硬化症や糖尿病、膠原病などによる血行障害が原因となっています。皮膚の治療だけでは治らないことも多く、循環器科、糖尿病・内分泌内科、整形外科などと連携して治療しています。また、従来の治療法で難治な皮膚潰瘍に対しては、再生医療の一つである多血小板血漿療法(platelet rich plasma療法:PRP療法)も行っております。陥入爪には、フットケアの一環として、正しい爪の切り方を指導します。症状によっては超弾性ワイヤー(自費になります)による矯正を行います。

乾癬

当院は日本皮膚科学会による生物学的製剤承認施設となっています。軽症の場合は、大半が塗り薬で症状を改善させることが可能ですが、中等症以上や関節症状のある場合は、従来からの飲み薬、光線療法(ナローバンドUVB)に加えて、30名以上の患者さんに対して生物学的製剤注射による治療も行っています。現時点で乾癬への使用が認められているレミケード、ヒュミラ、ステラーラ、コセンティクス、トルツ、ルミセフ、トレムフィア、スキリージは全て使用実績があり、個々の状態により最適と思われるものを使用しています。飲み薬での治療としては、従来のチガソン(エトレチナート)、ネオーラル(シクロスポリン)に加えて、オテズラ(アプレミラスト)による治療も可能です。

アトピー性皮膚炎などの皮膚炎・湿疹群

原因不明で治りにくい場合は、薬疹、中毒疹に準じて原因検索(検査)を行います。重症の患者さんにおいてはネオーラル(シクロスポリン)内服治療や、デュピクセント(デュピルマブ)の注射による治療も可能です。急激に皮膚炎が悪化したときや、細菌感染や単純ヘルペスなどのウイルス感染を合併した場合の急性期治療も行っています。症状の安定した患者さんは、お近くの医療機関で継続して治療を受けられるようにご紹介しております。

じんましん

アナフィラキシーショックにともなうじんましんは、薬剤や食べ物が原因となることが多いですが、通常のじんましんの多くは原因がはっきりしません。その場合は、日常生活に支障が出ない程度にじんましんが出るのをおさえることを目的に、抗アレルギー剤の飲み薬を中心として治療します。従来の治療では十分な治療効果が得られない患者さんに対して、ゾレア(オマリズマブ)の皮下注射による治療も可能です。

重度の原発性腋窩多汗症

日常生活に支障が出るほどワキの汗がたくさん出る患者さんに対しては、ボトックス(A型ボツリヌス菌の毒素ですが、通常治療の投与であれば全身に対する危険はありません)を皮内注射することで発汗を抑制する治療を行っています。(当科では、健康保険が適用されるワキの多汗症に対してのみ、治療を行っております。)なお、多汗症に対する塩化アルミニウム溶液の外用やイオントフォレーシスは当科では行っておりません。