泌尿器科

最先端の技術を用いて最高水準の泌尿器科医療を提供します。

当科では泌尿器科全般を取り扱っていますが、特に泌尿器がんに対する腹腔鏡手術、尿路結石に対するESWL・内視鏡手術、前立腺肥大症に対するレーザー手術(HoLEP)に力を入れています。また下大静脈や右房にまで進展するような腎がんに対する手術や転移のある進行がんに対する抗がん剤治療を中心とした集学的治療の経験も豊富です。

泌尿器科の治療と検査

ロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術を開始

当科では2014年6月より前立腺癌の患者さんに対し、手術用ロボットであるダビンチを用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を300例以上施行しています(2019年7月現在)。また、2016年より腎細胞癌の患者さんに対し、ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を開始しています。さらに、2018年12月からロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術を開始し、現在まで良好な結果を得ています。具体的な方法や適応などについては、お気軽に担当医にご質問下さい。

手術ロボット「ダビンチ(Da vinci Si)」

ダビンチは医師が操作するメインの機械(術者コンソール)と手術操作のアーム(ペイシャントカート)と工学系を統合するビジョンカートより構成され、あたかも開放手術のような距離感のある3D映像をみながらの操作が可能です。このアームはあらゆる方向に屈曲可能な関節を有する器具であり、人の手の数倍の細かさで動かすことができます。また、手の震えを吸収する機能も備え、腹腔鏡手術と比較し安全性・操作性において高い評価を得ています。

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術

欧米では、泌尿器科手術における使用頻度が高く、特に前立腺癌手術では90%以上がロボット支援手術により行われています。前立腺は骨盤の一番奥深く狭い空間に位置し、周囲には尿禁制を維持する括約筋等をはじめ、勃起に必要な神経、血管等が密集しています。そのため前立腺および周囲組織を損傷なく摘除することや、前立腺摘除後に尿道と膀胱を確実に吻合することは、従来の手術方法ではかなり困難なことでした。これに対し、ダビンチによる手術では、このような狭い空間においても充分な視野が確保でき、スムースな操作が可能です。これにより術後のQOL(生活の質)低下の要因であった「尿失禁」や「性機能低下」を克服できる可能性を秘めています。また、それたけでなく、出血量が少なく、小さな傷で行え、かつ、痛みも少ないため体への負担も軽く、早期の社会復帰が可能です。

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術

ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術

直径4cm以下の腎癌の標準的治療法は、腫瘍と周辺組織のみを腎臓から摘出する腎部分切除術です。従来の腹腔鏡下手術では、腎腫瘍の摘出と摘出部の縫合を正確に行うために非常に高い技術が必要であり、開腹手術よりも腎血流を遮断する時間が長くなることが欠点でした。従って術後の腎臓機能の保持について不利であるとの懸念がありました。ダビンチを用いたロボット支援腎部分切除術では同じ腹腔鏡下手術でありながら、腫瘍の切除および切除部分の縫合を従来の開腹手術以上に正確かつ迅速に行うことができるため、癌の根治度を犠牲にすることなく、腎臓機能を最大限温存することが可能です。

ロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術

がんが膀胱の壁に深く入り込んでいる筋層浸潤膀胱がんでは、膀胱を全て摘出する根治的膀胱全摘除術が、根治を最も期待できる標準治療です。根治的膀胱全摘術では、転移の可能性があるリンパ節を摘出します(リンパ節郭清)。さらに、膀胱を摘出すると、尿を体外に導く通路を再建しなければなりません(尿路変向術)。

ロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術は、ロボット支援手術の特徴を大きく生かせる手術であり、患者さんの周術期の負担が軽減することを期待できます。当科では2018年12月よりロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術を開始しました。既往症や経過などから、ロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術が治療適応とならない患者様もおられます。具体的な適応や治療方針などについては、お気軽に担当医にご質問下さい。