検査部の業務(病理)

病理検査室

血液検査や尿検査に比べて聞き慣れない検査かもしれません。病理検査の対象は血液や尿ではなく「臓器」や「細胞」です。「細胞」は人体の最小単位で、1人の人間は約60兆個もの「細胞」で出来ています。「細胞」がいくつか集まって一定の機能を持った単位を「組織」、「組織」が集まったものを「臓器」あるいは「器官」と呼びます。「細胞」には様々な種類があり、「臓器」や「器官」はそれぞれに特徴的な「細胞」から構成され機能しています。何らかの原因でこの「細胞」に変化が起こると「組織」や「臓器」の機能がおかしくなり、病気になります。病理検査とは身体から取り出された「臓器」や「組織」あるいは「細胞」を肉眼と顕微鏡で観察し、「細胞」の形や並び方の変化を調べて病気の診断を行う検査です。病理検査は病気の最終診断にもなり、治療方針の決定や治療効果の判定に深く関係する検査です。

病理検査室内部の様子
検査部スタッフの集合画像

病理組織検査

手術で摘出された臓器、胃カメラなどで採取された組織など人体から採取されたおよそ全てのものが検査の対象となります。臓器や組織を数ミクロン(μm)の厚さに切ってガラス板に貼り付け、色素で色を付けて顕微鏡で観察します。病気の原因が炎症であるのか腫瘍であるのか、腫瘍の場合それが良性であるのか悪性(悪性腫瘍は一般的にガンと呼ばれています)であるのか、どのくらい広がっているのか、といった診断を行います。診断するまでに様々な処理を行いますので、検査結果が出るのに数日かかります。

手術で摘出された臓器、胃カメラなどで採取された組織など人体から採取されたおよそ全てのものが検査の対象となります。臓器や組織を数ミクロン(μm)の厚さに切ってガラス板に貼り付け、色素で色を付けて顕微鏡で観察します。病気の原因が炎症であるのか腫瘍であるのか、腫瘍の場合それが良性であるのか悪性(悪性腫瘍は一般的にガンと呼ばれています)であるのか、どのくらい広がっているのか、といった診断を行います。診断するまでに様々な処理を行いますので、検査結果が出るのに数日かかります。

細胞診検査

痰、尿や胸水(胸に貯まる液体)・腹水(腹に貯まる液体)などには臓器などから剥がれた細胞が含まれています。この細胞をガラス板に塗り、色素で色を付け顕微鏡で観察します。主な目的はガン細胞の有無を調べることで、ガンの早期発見・早期治療に役立っています。痰や尿の採取は患者さんの苦痛が比較的少なく、場合によっては繰り返し検査出来る利点があります。また、病理組織検査で扱うことが出来ない液状物を検査対象と出来ることも利点です。当院では日本臨床細胞学会に認定された細胞検査士と、病理医が診断を行っています。

▼細胞診の顕微鏡写真です。細胞の種類によって形や大きさ、染まる色が違います。

術中迅速検査

手術中に採取された組織や胸水・腹水を用いて病理組織検査や細胞診検査を行っています。診断結果を手術中に報告するため、非常に短時間で行います。採取された組織がガンであるかどうか、転移はあるか、ガンが取りきれているか、などの診断を行います。その結果により、どの手術方式で行うか、どこまで切除するか、といった手術方針の決定や変更が行われます。

病理解剖

患者さんが亡くなられた場合、生前の診断や治療が適切であったか、直接の死因は何か、などを究明するため、ご遺族の承諾を得た上でご遺体を解剖させていただいています。この結果を基に臨床の医師と検討を行い、その後の診断、治療に役立たせていただいています。