検査部の業務(生理)

生理検査室1

心電図(安静心電図・マスター負荷心電図)・トレッドミル検査・ホルター心電図

心電図とは、心臓の働きを調べる検査法のひとつです。両手足と胸部に電極をつけて、心臓から発生する微弱な電圧の変化を記録して心臓の働きを調べます。簡単でたくさんの情報が得られることから、病気の発見と診断、病状の把握だけでなく、健康な心臓の状態や反応をみるためにも使われます。まず最初は安静心電図を行います(検査時間5分)。

しかし狭心症や不整脈など、短い時間の安静心電図だけでは異常がとらえられない場合があります。その場合は心臓に一定の運動で負荷をかけて心電図を記録し、心筋への酸素供給の不足状態(心筋虚血)がみられるかどうかを判定します。この運動負荷心電図には階段を上がり降りするマスター負荷心電図があります(検査時間10分)。

さらに詳しく見る場合はトレッドミル検査を行います(検査時間30分)。電動で回転するベルト(ベルトコンベアーのようなもの)の上をゆっくりと歩いたり小走をしていただきます。一定の時間毎に運動量を増やして、負荷をかけている時の心電図の変化を調べます。他に小型の携帯型心電図装置を用いて、日常の心電図を24時間にわたって記録し解析するホルター心電図があります。

心電図  

脈波検査(ABI・PWV) 検査時間15分

脈波とは、血圧や心拍に伴って胸壁や動脈に起こる拍動を、電気信号に変えて描いた波形のことをいいます。

ABI(足関節上腕血圧比)は、足首と上腕の血圧を同時に測定り、下肢動脈に狭窄がないかを調べます。通常足の血圧は上腕より高くなりますが、足の動脈がつまると血流が悪くなり、足の血圧が上腕より低くなりABIの値が低下します。ABI値が0.9以下の場合、動脈硬化による下肢動脈の狭窄が進んでいることが推測され、下肢閉塞性動脈硬化症が疑われます。

同時にPWV(脳波伝播速度)も測ります。心臓から押し出された血液により生じた拍動が、動脈を通じて足に届くまでの速度のことで、脈波伝播速度と呼ばれます。血管が硬いほどその速度は速くなります。PWV値は年齢とともに増加しますが、その度合いは生活習慣病(糖尿病・高血圧など)の影響をうけます。

脈波検査(PWV) 検査時間15分脳波  

FMD(血管内皮機能検査) 検査時間30分

動脈硬化は血管の一番内側にある血管内皮細胞が、糖尿病や高血圧などにより傷つくことから始まります。腕に血圧カフで圧をかけ、その前後の血管径を測り内皮細胞機能を判定します。内皮細胞が正常な場合は血管が柔らかく血管径の変化は大きくなりますが、硬くなりかけた血管では変化が小さくなります。早期の動脈硬化変化をとらえる検査です。食事により血管は変化するため絶食で行います。

FMD(血管内皮機能検査) 検査時間30分FMD  

SPP(皮膚潅流圧) 検査時間30分

足の動脈硬化が進行し血管の石灰化がおこると、血圧が非常に低くなり通常の血圧測定が行えません。足に圧をかけレーザーセンサーで皮膚のわずかな循環をとらえて皮膚の潅流圧を求めます。下肢の虚血の程度や潰瘍の治癒予測、手術や治療効果を判定します。

SPP(皮膚潅流圧) 検査時間30分SPP  

生理検査室2

呼吸機能検査 検査時間10~30分

呼吸機能検査では、肺活量など肺への空気の出し入れの量や働きを調べる検査をします。マウスピースをくわえて、息を大きく吸ったり吐いたりしていただきます。肺が硬くなると広がらなくなるため肺活量が低下し、喘息など気道が狭くなると息を吐く勢いが低下します。肺の病気の診断と重症度の評価や治療効果の判定、公害審査、手術の際に麻酔方式の決定などにも用いられます。

呼吸器検査呼吸機能検査  

呼吸抵抗測定(モストグラフ) 検査時間15分

マウスピースをくわえて数回普通の呼吸を行います。装置より微弱な音波が送られ気道に反射(抵抗)し、その反射音波から息を吐いた時に増強する気道抵抗を求めます。安静呼吸で検査ができるため、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんにも負担なく行っていただけます。気道の抵抗(狭さ)が強いほど波形が高くなります。喘息のコントロールや治療効果の判定に用いられます。

呼吸抵抗測定(モストグラフ) 検査時間15分呼吸抵抗測定  

終夜睡眠ポリグラフィー 検査時間約8時間(入院検査)

睡眠中に無呼吸、低酸素状態がないかを調べる検査です。睡眠時に無呼吸が起こると、いびきや息苦しさで熟睡できず、日中に強い眠気や倦怠感、頭痛などの症状が出ることがあります。1泊入院していただき酸素センサー、呼吸センサー、体位センサー、心電図、脳波を装着し、就寝中の無呼吸や低呼吸による酸素不足や身体の負担の程度、熟睡度を調べます。

終夜睡眠ポリグラフィー 検査時間約8時間(入院検査)終夜睡眠ポリグラフィー  

脳波検査・大脳誘発検査(SEP・ABR・VEP)

脳波検査 検査時間60分

頭皮に電極をつけ、脳から出ている微弱な電位をとらえて記録し、脳の働きを調べる検査です。てんかんや脳血管障害など脳の器質的、機能的疾患に対する診断、治療効果の判定などに用います。検査の方法は、ベッドに仰向けに寝て、頭皮に十数個の電極をつけます。目を閉じて安静にした状態で脳波を記録していきます。途中で目を開閉したり深呼吸をしていただき、多くは睡眠時の脳波も記録します。

脳波検査 検査時間60分脳波検査  

大脳誘発検査検査時間60分

当院ではSEP(体性感覚誘発電位)、ABR(聴性脳幹反応)、VEP(視覚誘発電位)を行っています。

SEPとは、上肢または下肢の感覚神経に電気的な刺激を与えることによって得られる電位をいい、脳波の波形として頭皮上よりとらえることができます。末梢神経から脳幹、大脳皮質に至る長い神経路の機能障害を見つけます。

ABRは、耳から音刺激を与え、聴覚神経系を興奮させることで得られる脳幹部での電位を頭皮上より記録します。脳の深部にある脳幹と呼ばれる部分の働きを調べたり、難聴の検査としても行われます。

VEPは、網膜や大脳(後頭部)が、光などの刺激を受けた場合の反応をとらえます。脳波でごく小さな波形としてとらえることができ、主には視神経の機能を調べます。

筋電図検査

筋電図検査は誘発筋電図検査(神経伝導速度検査)と針筋電図検査の2つに大別されます。

誘発筋電図検査(神経伝導速度検査) 検査時間30分

皮膚の上から電気刺激を与え、刺激が神経を伝わる速さを調べます。この神経を伝わる速さは神経の種類によりある程度決まっていて、この速度を測定することにより、神経線維の損傷部位や程度を知ることができます。

誘発筋電図検査(神経伝導速度検査) 検査時間30分誘発筋電図検査  

針筋電図検査 検査時間30分

身体の各部分を動かす筋肉はそれぞれ特定の神経の支配を受けています。それぞれの筋肉がどのような状態になっているのか、筋肉の障害がある場合、神経によるものか、筋肉そのものの障害なのかを判別します。検査は、筋肉に針電極を刺入しその筋肉に力を入れたり抜いたりして、筋細胞の電気活動の変化を測定します。(※少し痛みを感じることがあります。)

生理検査室3

超音波(エコー)検査(心臓・腹部・血管・甲状腺・乳腺・体表・関節・胎児)

超音波とは、人間の可聴域(通常は20~20,000Hzの間)をはるかに超えた高周波の音波のことです。この音波は、光と似た性質を持ち、水や体の中も通るようになり、硬い物に当たれば強く、柔らかい物ではそれなりに弱くはね返って(反射して)きます。これを強弱(白黒)映像で表したものが超音波検査です。

心臓超音波検査(心エコー) 検査時間30分

心臓の大きさや動き、形の異常、血液の流れ方などを調べます。先天性心疾患や心臓弁膜症、狭心症、心筋梗塞などほとんどの心疾患が検査の対象です。手術や他の検査前、心臓の機能を評価するために行うこともあります。

心エコー写真心エコー写真  

腹部超音波検査(腹部エコー) 検査時間15~30分

おなかの上のほうにある臓器(肝臓、膵臓、胆嚢、脾臓、腎臓など)を主に検査します。その他、必要に応じて胃、腸などの消化管や膀胱、子宮、前立腺などおなかの下のほうにある臓器、血管を見ることもあります。臓器の大きさや性状、結石や腫瘍がないかを身体の表面から観察します。

腹部エコー写真腹部エコー写真  

血管超音波検査 検査時間30~60分

頸動脈エコー、下肢動脈エコー、下肢静脈エコー、腎動脈エコー(腹部動脈エコー)があります。

頸動脈エコーは、首にある太い血管(頸動脈)の動脈硬化の程度を調べます。頸動脈の動脈硬化が進んでいると、全身の血管の動脈硬化も進んでいる可能性が高いといわれ、動脈硬化のスクリーニングとしても用いられます。頸動脈は脳や眼に血流を送る重要な血管で、細くなっていないか、またはつまっていないかを調べます。

下肢動脈エコーは、おなかから両足首にかけての血管の動脈硬化や狭窄の程度を調べます。動脈硬化がひどくなると十分な血液が足の先まで届かなくなり、少し歩くと足がだるくなり、休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行)や、足が冷たいなどの症状がおこります。

下肢静脈エコーは、足の付け根から両足首までの静脈に血のかたまり(血栓)が出来ていないかを調べます。血栓が静脈に詰まると足が急に腫れたり色が変わったりします。そして血栓がはがれて肺まで流れてつまってしまうと、胸痛や呼吸困難などを引き起こし、突然死の原因となることもあります(肺塞栓症)。

腎動脈エコー(腹部動脈エコー)は、主に腎動脈を対象にした検査で、狭くなっている部分がないか、大きく拡大している部分(動脈瘤)がないかを見ます。腎血管が動脈硬化によって狭くなると、高血圧や、腎臓の機能を悪化させる原因となる場合があります。また、腎動脈瘤はまれな疾患で、症状がないことが多いのですが、破裂、高血圧、腰痛、血尿などの症状がでる場合があります。

血管超音波検査 検査時間30~60分血管エコー写真  

甲状腺超音波検査(甲状腺エコー) 検査時間15分

甲状腺は首の根元にある臓器で、大きさや性状、腫瘍がないかを調べます。全身の新陳代謝を調節する甲状腺ホルモンを作り分泌している臓器です。エコー時に細い針を使って甲状腺の細胞を採取し、顕微鏡で調べる検査(穿刺吸引細胞診)を行うこともあります。

甲状腺エコー検査 検査時間15分甲状腺エコー写真  

乳腺超音波検査(乳腺エコー) 検査時間15分

乳腺の状態や、しこり(腫瘤)が良性か悪性か、リンパ節が腫れていないかを調べたり、触知されない小さい乳がんを発見することができる検査です。男性もお薬の影響等でしこりができる場合があり乳腺エコーを行います。

乳腺エコー検査 検査時間15分乳腺エコー写真  

体表超音波検査(体表エコー) 検査時間15分

頸部や四肢などの表面に触れる腫瘤やリンパ節を観察します。頸部リンパ節は正常でもよく見られますが、感染がおこると痛みと共に丸く大きく腫れ、周囲も炎症のため白く描出されリンパ節炎と判定されます。

体表エコー検査 検査時間15分体表エコー写真  

関節超音波検査(関節エコー(リウマチ))検査時間60分

関節リウマチでは関節にある滑膜という組織が炎症をおこし、こわばりや痛みが起こります。エコーで手指・手首・肘・肩・膝・足首・足趾関節の滑膜の肥厚や炎症の程度を観察します。レントゲンでは分かりにくい初期の炎症をとらえられるため、早期治療にも有用です。

関節エコー写真関節エコー写真  

胎児超音波検査(胎児エコー・胎児3Dエコー)検査時間30分

胎児エコーは、胎児の頭の横径・おなか周り・大腿骨の径を測定し、計算式より推定体重を求めます。次に頭・お顔・胸部・心臓・腹部・四肢・性別・臍帯・胎盤・羊水を観察し、必要な箇所を計測していきます。胎児期に異常を発見することで、胎児治療や出生後の治療計画を立てる、などその後の成育に大切な検査になります。

胎児エコー写真胎児エコー写真  

 

当院では新たに胎児エコー動画配信を開始することになりました。
それにともない胎児3Dエコーは2018年3月末で新規のご予約の受付を終了させていただきます。
なお、予約日が4月以降の患者様につきましては予約日時どおりに胎児3Dエコーをさせていただきます。ご不明な点がありましたら地域医療連携センターにお問い合わせください。TEL 06-6480-7720(直通)

胎児3Dエコー写真胎児3Dエコー写真