科長ご挨拶

兵庫県立尼崎総合医療センター消化器外科部長・消化器外科長・外科長、医療安全部長 兼任 西躰 隆太よりご挨拶

幅広い疾患への対応と、その中でも低侵襲かつ安全な手術への取り組みが当科の特徴です。2025年の当科メンバーは、スタッフ7名(部長5名、医長2名)、フェロー3名、専攻医3名の計13名です。2024年度から始まった医師働き方改革に対応しつつ、これまで通り救急にも対応できるよう、メンバーの増員、さらなるスキルアップを目指しています。

上部消化管外科

食道癌・胃癌の外科治療は全例を鏡視下に行っています。2017年に保険収載されたda Vinci Surgical Systemを用いたロボット支援下胃切除は、2024年は33例(2023年は32例、2022年は19例)に施行しました。また、2023年から食道についてもロボット手術の準備を開始し、2024年から全症例(2024年は12例)をロボットで行って、手術の安全性、質の向上を実感しております。

下部消化管外科

結腸癌・直腸癌に対しても腹腔鏡手術を基本としており、約8割を鏡視下に施行しています。直腸癌に対するロボット支援手術は2018年に保険収載され、当科では2019年に開始しました。手術の質向上への貢献を実感しながら症例を増やし、2024年は30例(2023年は23例、2022年は15例)に施行しました。2023年から結腸癌にもロボット手術の適応を広げ、2024年には4例に施行しました。

肝胆膵外科

肝胆膵領域のmajor operationとしては胆道癌・膵癌・肝細胞癌・転移性肝癌などの手術を施行しています。いずれも高い技術と経験を要する高難度手術であり、根治をめざして手術をメインとした集学的治療に取り組んでいます。この領域においても鏡視下手術、ロボット支援手術の導入が進んでおり、肝切除、膵体尾部切除は鏡視下手術を第一選択としています。ロボットは2022年の膵体尾部切除への導入に続き、2023年には肝切除にも導入して大きな合併症なく実績を重ね、2024年はロボットによる膵臓の手術は9件、肝臓の手術は20件となりました。

腹部救急外科

当科の手術症例の約1/3は緊急手術であり、消化管穿孔・絞扼性腸閉塞・急性胆嚢炎・急性虫垂炎などあらゆる腹部救急疾患に対する手術を施行しています。ER、麻酔科、集中治療科、ハイケアユニットなどの手厚いバックアップにより、常時緊急対応が可能な体制で取り組んでいます。

入院される患者様へ

若いスタッフ(主治医)と、それぞれの分野の専門医(責任医)がペアを組んで治療に当たります。また、毎朝8時から全員でミーティングを行い、入院患者さんの治療方針を共有しています。夜間や週末など、主治医・責任医が不在の場合でも、365日24時間、私たちメンバーの誰かが当番をして適切に対応いたしますのでご安心ください。

ご紹介いただく先生方へ

夜間や休日にも紹介しやすく、少ない合併症で確実に紹介元に患者様をお返しできている、とのお声をいただいています。消化器疾患で手術が必要になりそうな患者さんは、外科・消化器外科に直接ご紹介ください。当方で消化器内科と連携をとって対応いたします。