研修医希望者へのメッセージ

信頼される放射線科医を育成するために

皆さんは安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)という言葉をご存じでしょうか。ミステリー小説において、部屋から出ることなく、あるいは現場に赴くことなく事件を推理する探偵のことをいいます。画像は患者さんのその瞬間の状態を切り取り、ありのままをディスプレイに映し出しています。放射線診断医は画像を通じて、患者さんの痛みや苦しみを想像しながら、正しい診断は何か、治療を行うために次に何をすべきなのかを探偵のように推論し、判断した結果を放射線レポートとして主治医に伝えます。

放射線診断医は椅子に座って診断をしているだけではありません。当院は全国でも数少ない小児救命救急センターを備えた高度急性期・高度専門病院であり、大学病院でも経験することが少ない様々な領域の救急疾患、難病疾患の診断にあたることができます。限られた人数で多彩な症例に対応するため、臨床各科とのコミュニケーションを大切にしており、放射線科画像カンファレンスに加えて、複数科との合同画像カンファレンスを行うとともに、各科医師からのコンサルテーションにも積極的に応じています。

IVR(インターベンショナルラジオロジー)は、低侵襲で患者さんの治療を行う放射線診断科の重要な業務の一つです。当科では臨床各科の依頼を受けて、肝細胞癌に対する塞栓術や原発性アルドステロン症に呈する副腎静脈サンプリングなど血管系IVRのほか、膿瘍ドレナージやCTガイド下生検などの非血管系IVRも施行しています。当院は救命救急センターを備えており、重傷交通外傷における骨盤骨折や産科出血、腫瘍破裂による腹腔内出血への塞栓術、喀血に対する気管支動脈塞栓術などの緊急IVRにも対応しています。

当科は放射線科専門医総合修練機関認定を取得しており、専門医取得に必要な知識・技術を体系的に身につけることができます。

また専門医取得後のキャリアとしての大学院進学を見越して、研究に必要な基礎的な技術・知識を前もって身につけることができるよう、学会発表、論文作成を奨励し、リサーチミーティングや抄読会を行うなどして、積極的に指導しています。

見学はいつでも受け付けています。
学生の方、初期臨床研修医の方で当科への見学希望のある方は、
下記連絡先宛にご連絡ください。
連絡先:放射線診断科科長 金柿 光憲
e-mail:kanagaki@hp.pref.hyogo.jp