肺動脈性肺高血圧症における運動療法
~日常生活でのポイント〜
監修;兵庫県立尼崎総合医療センター リハビリテーション科
このページの目次
肺動脈性肺高血圧症の症状
肺高血圧症の初期症状

体力について


適切な運動について
肺高血圧症に対する運動の効果
- 肺高血圧症患者さんに対して、15週間の運動を実施
- 運動を実施した患者さんは、6分間歩行や生活の質(QOL)が改善した
(Mereles D,et al.Circulation.2006;114:1482-1489.)

運動が適している方

運動について気になること

運動にも様々なものがあります

どのような運動様式が適切か?

適切な運動療法とは?
①ウォーキング

②軽い筋力トレーニング

無理のない程度(息切れがない)
↳ 体が低酸素にならないようにする!
有酸素運動:ウォーキング
- 頻度:可能であれば毎日(週3日程度からでもOKです)
- 強度:息切れがない範囲(お話をしながら歩いてもしんどくない)
- 時間:1回あたり20分~30分(10分からでもOKです)
- 息切れの目安にもなるため、酸素モニターをつけながら運動すればより安全に行えます
短時間から徐々に開始し
運動を日々継続していくことが大切です
適切な運動は良いが、やりすぎは危険
- 運動の目安はご自身の自覚症状(息切れなど)、酸素モニターを参考に実施
※酸素モニターではSpO2 90%以下場合は必ず休憩して、呼吸を整えましょう

適切な運動処方
- 心臓リハビリでは体力試験を行い、患者さんに応じた運動処方を実施
- ①心拍数
- ②歩行速度
→息切れのない範囲で運動

ここで一つ簡単なチェックをしてみましょう!

軽い筋力トレーニング
筋トレ実施時の注意点
※転倒には十分注意してください
- 1. 息を止めないように『1.2.3』と声に出して数えながら
- 2. 息切れがあれば休憩しましょう
- 3. 筋肉痛の場合はお休みしましょう
- 4. 立って行うスクワットと踵上げは何かに掴まりながら行いましょう

座ってできる筋力トレーニング



筋トレを続けるコツ
- ウォーキングは天気に左右されますが、筋トレは自宅の中で出来ます!
- 筋トレをする時間を作ろうとすると、気持ち的にしんどいのですき間に筋トレを行っていきましょう!

すき間にできる筋トレを是非、続けていきましょう!
日常生活での過ごし方について

心臓や肺に負担がかかりやすい動き
- かがみ動作
- 家事(掃除、洗濯物干し)
- 重たいものを持つ
- 階段
- 入浴

まとめ
- 肺高血圧症では息切れの症状が多い
- 体力を維持するには適切な運動が大切
- 低酸素にならないウォーキングや筋トレを行う
- ライフスタイルに応じて、日常生活に運動を取り入れていく