パーキンソン病のスピーチリハビリテーションについて
基礎知識と療養のポイント
監修;兵庫県立尼崎総合医療センター リハビリテーション部
(令和2年度難病教室より)
「スピーチ」の過程
パーキンソン病のスピーチの問題
病気の特性 |
|
---|---|
呼吸の問題 |
|
発声の問題 |
|
構音の問題 |
|
パーキンソン病のスピーチの変化
呼吸・発声へのアプローチ
姿勢の調整 1
椅子に座っている時 | 足の裏をしっかり床につける |
---|---|
ベッド上で座っている時 | 肩、背中、お尻、脚の裏をしっかり支える |
- 安定して息を吐くことができるように!
- 身体の一部だけに体重がかからないように!
姿勢の調整 2
- ①
- 両腕を伸ばして手を合わせる
- ②
- 手を合わせたまま腕を耳のあたりまで上げる(可能な範囲でしましょう)
- ③
- 息を吸いながら腕を上げ、息を吐きながら腕をおろす
- 5〜10回を目安にしましょう。
- 背骨を伸ばし、胸郭を動きやすい状態に整えます。
大きな声を出すことがリハビリになります!
- ①
- 「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」
大きな声で、なるべく長く続けて声を出す。 - ②
- 「あー⤴あー⤴あー⤴」「あー⤵あー⤵あー⤵」
音階を上げたり、下げたりして大きな声を出す。 - ③
- 「おはよう」「いただきます」「ありがとう」 「ごちそうさま」「おやすみ」等の挨拶言葉を大きな声で言う。
構音へのアプローチ
【方法1】
指折りをしながら話す。一音ずつ or 単語ごとに指を折りながら話す。
【方法2】
身体の一部や机、椅子を叩きながら、そのリズムに合わせて一音ずつor単語で区切って話す。
【方法3】
メトロノームでリズムを確認する
※健常者のスピーチ=1秒で6-7文字
120回/分程度が取り組みやすい場合が多いです。