産科こころケア外来(毎週火曜日午前・木曜日終日)
産科医がお母さんの産後の疲れをチェックする外来です
誰にでも気がつかないうちに疲れがたまっている可能性があります
産後の疲れは、放置すると産後うつになることもあります
受診しておくと安心です
産後うつ病は珍しい病気ではありません。先進国では5人から10人に1人は出産後に産後うつ病にかかるといわれています。悪化するとお母さんは家事や育児ができなくなり、重症例では発作的な自殺や心中に及ぶこともあります。また、中等症以上で治療を受けていない母親に長期間養育された子供では知的発達の問題が生じる可能性が指摘されています。
このように深刻な事態におよぶ可能性があるにもかかわらず、産後うつ病の認知度は高くありません。そこで、当院では、患者様、ご家族様に産後うつ病に関心を持っていただけるよう、産後1ヶ月検診において、EPDS(エジンバラ産後うつ病自己評価票)にもとづいた産後うつ病スクリーニングを行っております。また、EPDS陽性者全員及び不安のある方を対象とした、「産科こころケア外来」を行っております。
「産科こころケア外来」は、産科医が産後のこころの状態をチェックする外来です。毎週火曜日午前と木曜日終日に開設しています。
1ヶ月検診でEPDS陽性の方へ:EPDS陽性でも産後うつ病というわけではありませんし、自然に、速やかに回復なさる方も大勢いらっしゃいます。したがって、これだけでは精神科受診が必要とは言えません。しかし、産後うつ病は、自覚がない場合が多いことと発症時期が人それぞれ(ピークは産後6週間目)であるため、気にかけておいた方が安心です。こころケア外来は1回30分でゆっくりとお話を伺えるので、ニーズにあった対応や情報提供をさせていただけます。詳しいことは、産後検診時にお渡ししたプリントをご覧下さい。
ご家族の方へ
産後うつ病は予後の良い病気ですが、放置させると悪化、慢性化することがあり、回復の機会を失います。安心できる子育て環境を作るためにも、受診して頂き、回復していることを確認することをおすすめします。また、保険診療なので大きな負担にはなりませんし、院内のイベントのご案内や赤ちゃんの体重測定などのサービスも行っております。
電話訪問の方へ
EPDS陽性で受診されないのは、とても心配ですから電話訪問をさせていただいております。電話訪問の予約日時におこし下されば、対面診察も可能です。なお、つながらなかった場合には、地域の保健師に連絡する場合があります
産科医にすすめられたわけではないが、受診希望のある方へ
EPDS陰性なら心配無いというわけではありません。産後検診で異常がなくても、気になる症状がある場合、産後検診以降に症状が出た場合、相談はしたいがどうしていいかわからない場合などお気軽にご相談ください。当院以外での出産の方は、出産時の状況がわかる書類をお持ち下さい。
もし治療が必要と判断されたら
産後であること、赤ちゃんがいること、(授乳中であること)を配慮したフォローをいたします。少しの待ち時間はいただきますが、こころケア受診日に当院精神科受診が可能です。診察は、産科の診察室周辺で行うので、移動の必要がなく、赤ちゃん連れでも楽に受診できます。薬物療法をご希望の際には、授乳の継続が可能な治療も行えます。
精神科医師の診療まではご希望のない方は、公認心理士によるカウンセリングも可能です。
受診時期、期間について
こころケア外来は、産後6ヶ月までを目安にご利用いただけます。当院で継続して診療後、長期間、改善が見られない場合は、地域へ紹介させていただくことがあります。なお、6ヶ月以降でも診察可能な場合がございますのでお問い合わせ下さい。
受診希望や変更に関する連絡先
兵庫県立総合医療センター Mブロック産科外来