科長ご挨拶

兵庫県立尼崎医療センター麻酔科部長・科長よりご挨拶

当院の麻酔科は、手術室・アンギオ室・検査室での年間約6,000例の麻酔症例の管理を中心とした業務を行っています。また、患者サポートセンターの麻酔科外来診察室で術前診察を行っています。

現在、臓器移植手術以外のほぼすべての領域の手術の麻酔管理を行っていますが、救急救命センターと総合周産期母子医療センターを有する当院は小児医療・周産期医療・救急医療が充実しており、麻酔科管理症例も小児の手術・検査の麻酔、帝王切開術の麻酔、緊急手術の麻酔が豊富です。心臓血管外科・循環器内科・小児循環器科部門も充実しており、新生児から高齢者までの心臓・大血管手術が多いことも特徴です。これらの症例の全身麻酔管理は、小児麻酔、産科麻酔、心臓血管麻酔の経験が豊富な麻酔科医が担当しています。またその他の手術症例に関しても、周術期(手術前・中・後)の質の高いきめ細かな術前診察・麻酔管理・疼痛管理を行ない手術後の合併症の減少と患者さんの満足度の向上に寄与できるように努めています。

また、当院は麻酔科専門医の育成にも力を入れています。2010年から「兵庫県立病院麻酔科医総合研修システム」の「麻酔科医師養成基幹病院」として、多くの麻酔認定医・専門医・指導医を育成してきました。日本麻酔科学会認定の麻酔科専門医研修プログラムの責任基幹施設および日本専門医機構認定の麻酔科専門研修プログラムの専門研修基幹施設でもあります。県立病院麻酔科が協力し、複数の病院を選択し基礎的な麻酔だけでなく専門領域の麻酔を県立病院に継続的に勤務しながら集中的に研修できるプログラムとなっています。

今日、ロボット手術や内視鏡手術など外科医療の進歩は日進月歩であり、それに伴って必要な麻酔管理もダイナミックに変化しつつあります。当科では、これらの急速な変化に迅速に対応しながら、患者さんすべてがより安全かつ快適に手術を受けていただけるように努力していきたいと考えています。