科長ご挨拶

兵庫県立尼崎総合医療センター呼吸器外科長、呼吸器外科部長 坂井よりご挨拶

患者さんへ

「自分や自分の家族が病気になった時に受けたい医療」を目指しています。胸部の胸壁や肺、縦隔にある病変に対して外科的なアプローチを用いた治療が中心です。手術は初めてという方も多く、術前術後の不安や心配ごとが軽減できるよう患者さんやご家族が納得できるような説明を心がけています。外来も毎日行っており、気になることがありましたらお気軽に相談下さい。

手術は肺癌や縦隔腫瘍などに対する予定手術が中心ですが、胸部外傷や気胸に対する緊急手術も積極的に行っています。当科ではロボット手術。小さな傷口一か所から行う単孔式手術などの最先端の手術に加え従来から3port-VATS、開胸での手術が可能です。引き続き安全で確実な手術に心がけ、患者さんに満足してもらえるよう心がけていきます。今年度は全身麻酔322例、肺癌151例、気胸60例、膿胸24例とコロナ前の手術数まで戻ってきています。胸腔鏡下の手術285例中、ロボットは13例、単孔式手術は18例でした。その他縦隔腫瘍は15例、膿胸は24例、気胸+血気胸は63例でした。

地域医療機関の先生方へ

常日頃より大変お世話になっております。2015年7月に新病院が開院して以来地域の先生方のご協力も有り順調に診療に励んでまいりましたが、今年7月に10年を迎えます。悪性腫瘍に関しましては、診断から1ヶ月以内の手術が行えるよう配慮しています。気胸などの良性疾患では、麻酔科やICUの協力も有り緊急手術が可能であれば入院当日の手術も心がけています。

また高齢者の肺癌患者さんも年々増加しております。高齢者の方は肺気腫などの肺疾患、糖尿病や心疾患などの合併症を伴う生活習慣病患者さんが多いのも特徴で、術前術後の吸入、血糖コントロールや抗凝固薬の服用中止が術前に必要になる方など、我々呼吸器外科だけでは不十分であり呼吸器内科をはじめ他科との連携が緊密にできる点が我々にとっても心強く安心できます。

肺癌の術後に早期がんと診断された場合は-地域連携パス-を積極的に利用しかかりつけ医の先生方との併診よる術後のフォローアップを積極的に推進していますのでよろしくお願い申し上げます。

日々の臨床の中で手術に迷う症例や難しいと思われる症例についても積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、御紹介いただければ幸甚です。