研修医・専攻医の先生方に

当院では初期研修の応募時に将来の志望科を決めて診療科を研修するプログラムがありますが、志望科に関係なく2年間は多くのことを学んで吸収してください。

本格的に当院での後期呼吸器外科研修(医師3年目以降)を希望される方は「兵庫京都大学外科専門研修プログラム」に適応されることになります。

詳細は下記プログラムのホームページを参照ください。

専攻医体験記

湯浅樹医師(平成27年卒)

平成29年4月~令和2年3月4日迄 当科で研修

私は、平成27年に京都大学医学部を卒業し、和歌山で2年間の初期研修を終えたのち、兵庫県立尼崎総合医療センター呼吸器外科の専攻医として3年間の研修を行いました。

当院の研修の最大の特徴は大病院ならではの豊富な症例数です。呼吸器外科は年間360例ほどの手術をこなしており、専攻医の誰かがすべての手術に執刀もしくは助手で関わることになります。専攻医1年目のころはほぼすべての症例に自分が関わっており、忙しくも充実した日々を過ごしていました。3年間での経験手術件数は800例近くになり、執刀症例は371例、うち肺葉切除・区域切除は64例の執刀を経験させていただきました。これだけの症例数を経験させていただける病院は全国的にもほとんどないと思いますし、医師として未熟な状態から我慢強く育ててくださった指導医の先生方には本当に感謝しております。また、当院はすべての診療科が揃っており、他科との敷居が非常に低いことも特徴です。他科の手術に入ることにどの科も快く承諾いただけますし、呼吸器外科の研修を行いながら、空いた時間に当院だけで症例を集めることは容易です。

豊富な症例数もさることながら、様々な手術様式や症例を経験することも可能です。当院の肺葉切除は開胸と胸腔鏡の両方の手術様式を取り入れています。開胸下での手術経験の重要性を理解されている先生方は多いと思われますが、昨今の低侵襲手術を推す流れから、開胸での操作を経験できる施設は非常に少なくなっています。当院の指導医の先生方は開胸操作の経験の重要性を理解されており、専攻医はまず開胸での肺葉切除を研修します。今後の呼吸器外科医師人生において、非常に有意義な経験をさせていただいたと考えております。一方、Uniportal VATSやICG使用下区域切除といった最新の手術や、心臓血管外科と協力した血管形成術や気管支形成術といった拡大手術にも積極的に挑戦しております。

臨床面だけでなく、学会発表や論文作成の指導も充実しています。外科学会や呼吸器外科学会、肺癌学会といった全国規模の学会や地方会など、年間数例ほどの発表を行います。論文作成の指導に長けた先生方も多く、私も研修中に1本論文を作成し無事採用されました。その人の技量次第で海外雑誌への論文投稿も十分可能な指導体制にあります。

これだけのことを書くと、プライベートはほぼないのではないかと考える方が多いと思われますが、そのようなことは全くありません。私の妻は当院整形外科の専攻医であり、専攻医2年目の春に長男を授かりました。私も妻もまだまだ医師として未熟な身ですが、1人の子の親としての役割も果たす必要が出てきました。両科の上級医の先生方はそういった子育ての重要性も十分理解されており、お迎えや子守りといった育児に交代で対応することを快く承諾いただきました。また、休日・夜間は当番制であり、主要な科は毎日当直医が滞在しているため、非番の際は子供と遊んだり、家族で出かけたりとプライベートも充実しています。呼吸器外科の先輩の中には出産・子育てをされている女医の先生もいらっしゃり、時代の流れに即した柔軟な運営をされている病院のように感じます。

この3年間は本当に充実した日々を過ごさせていただきました。ご指導いただいた糸井先生や阪井先生をはじめ、様々な上級医の先生やスタッフの方々には本当に感謝しております。皆様の名に恥じないような立派な呼吸器外科医師になれるよう、日々努力し続けてまいります。私の文章を読んで、この病院で研修してみたいと思われる専攻医の先生方が少しでも増えてくれれば幸いです。3年間本当にお世話になりました。