外科・消化器外科

外科・消化器外科
最終更新日:2025年6月30日

外科・消化器外科

あらゆる消化器外科疾患に 高度の技術で対応します

当科では、あらゆる消化器外科疾患にそれぞれの専門医が、高度の技術をもって対応しています。腹腔鏡手術、ロボット支援下手術を積極的に取り入れるとともに、化学療法や放射線治療、血管造影などを含めた集学的治療により、肝胆膵領域の高度進行癌にも安全な根治術を目指しています。外科医不足が叫ばれる中、全国の大学から優秀な若手研修医の採用が多く、活気にあふれていることも特徴です。消化器外科医が24時間常駐することにより、腹部救急疾患にも迅速に対応しています。

外科・消化器外科スタッフ集合写真

外科・消化器外科2つの柱

①消化器がんに対する低侵襲手術と最高難度手術、②腹部救急疾患に対する緊急手術と術後集中管理

科長ご挨拶

兵庫県立尼崎総合医療センター消化器外科部長・消化器外科長・外科長、医療安全部長 兼任 西躰 隆太よりご挨拶

幅広い疾患への対応と、その中でも低侵襲かつ安全な手術への取り組みが当科の特徴です。2025年の当科メンバーは、スタッフ7名(部長5名、医長2名)、フェロー3名、専攻医3名の計13名です。2024年度から始まった医師働き方改革に対応しつつ、これまで通り救急にも対応できるよう、メンバーの増員、さらなるスキルアップを目指しています。

上部消化管外科

食道癌・胃癌の外科治療は全例を鏡視下に行っています。2017年に保険収載されたda Vinci Surgical Systemを用いたロボット支援下胃切除は、2024年は33例(2023年は32例、2022年は19例)に施行しました。また、2023年から食道についてもロボット手術の準備を開始し、2024年から全症例(2024年は12例)をロボットで行って、手術の安全性、質の向上を実感しております。

下部消化管外科

結腸癌・直腸癌に対しても腹腔鏡手術を基本としており、約8割を鏡視下に施行しています。直腸癌に対するロボット支援手術は2018年に保険収載され、当科では2019年に開始しました。手術の質向上への貢献を実感しながら症例を増やし、2024年は30例(2023年は23例、2022年は15例)に施行しました。2023年から結腸癌にもロボット手術の適応を広げ、2024年には4例に施行しました。

肝胆膵外科

肝胆膵領域のmajor operationとしては胆道癌・膵癌・肝細胞癌・転移性肝癌などの手術を施行しています。いずれも高い技術と経験を要する高難度手術であり、根治をめざして手術をメインとした集学的治療に取り組んでいます。この領域においても鏡視下手術、ロボット支援手術の導入が進んでおり、肝切除、膵体尾部切除は鏡視下手術を第一選択としています。ロボットは2022年の膵体尾部切除への導入に続き、2023年には肝切除にも導入して大きな合併症なく実績を重ね、2024年はロボットによる膵臓の手術は9件、肝臓の手術は20件となりました。

腹部救急外科

当科の手術症例の約1/3は緊急手術であり、消化管穿孔・絞扼性腸閉塞・急性胆嚢炎・急性虫垂炎などあらゆる腹部救急疾患に対する手術を施行しています。ER、麻酔科、集中治療科、ハイケアユニットなどの手厚いバックアップにより、常時緊急対応が可能な体制で取り組んでいます。

入院される患者様へ

若いスタッフ(主治医)と、それぞれの分野の専門医(責任医)がペアを組んで治療に当たります。また、毎朝8時から全員でミーティングを行い、入院患者さんの治療方針を共有しています。夜間や週末など、主治医・責任医が不在の場合でも、365日24時間、私たちメンバーの誰かが当番をして適切に対応いたしますのでご安心ください。

ご紹介いただく先生方へ

夜間や休日にも紹介しやすく、少ない合併症で確実に紹介元に患者様をお返しできている、とのお声をいただいています。消化器疾患で手術が必要になりそうな患者さんは、外科・消化器外科に直接ご紹介ください。当方で消化器内科と連携をとって対応いたします。

対象とする主な疾患

食道がん・胃がん

概略

食道は、食べた物が口から胃に入るまでに通る管で、大部分は胸腔内にあります。食道癌は早い段階からリンパ節に転移する傾向があり、また、食道の周囲には重要な臓器が密集しているため、隣接する臓器への浸潤が問題になることも多く、手術に抗癌剤や放射線を組み合わせた『集学的治療』が重要となります。
当科では、治療方針の指標として日本食道学会から出版されている「食道癌診断・治療ガイドライン」に則った治療方法をご提案しています。

大腸がん

当科では、大腸(結腸・直腸)のさまざまな疾患に対して外科治療を行っております。

  • 良性疾患に伴う大腸の狭窄(狭くなる)や腸閉塞、大腸の穿孔(穴が開く)と続発する腹膜炎などに対して、緊急手術を含めた外科治療を施行しています。
  • また当科での主な業務となっているのは、悪性疾患(結腸癌、直腸癌)に対する外科的切除であり、術前および再発などに対する化学療法(抗がん剤療法)や放射線療法と連続的に一体化した治療(集学的治療)を行っております。

肝胆膵がん

腹部救急疾患

穿孔性腹膜炎、虫垂炎、胆嚢炎、腹部外傷に対し24時間対応で緊急手術を行います。

鼠径ヘルニア

術後の痛みの少ないメッシュを使った治療を行います。さらに低侵襲の鏡視下手術も行っています。

外来医師担当表

施設認定

学会認定・修練施設

  • 日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設(A)
  • 日本外科学会外科専門医制度認定施設
  • 日本消化器外科学会認定病院
  • 日本胆道学会認定指導施設
  • 食道外科専門医準認定施設

患者さんデータの登録に関して

『一般社団法法人National Clinical Database』に患者さんのデータ登録を行っております。ご質問やデータ登録の拒否など、何かございましたら当科スタッフまでご一報ください。