呼吸器内科

呼吸器内科
ご一緒に考えましょう、肺を大事に
みなさんが生まれて初めてすることは何でしょう?オギャーという、すなわち呼吸をすることです(心臓は生まれる前から動いていますが)。
また、命尽きる寸前に行うことは何でしょう?「息を引き取る」と言われるとおり最後の呼吸をしたのち、心臓が止まるのですね。
肺の病気には、肺癌をはじめとする腫瘍、肺炎などの感染症、肺気腫に代表される慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎などのびまん性肺疾患、喘息などのアレルギー性疾患等多様な病態が含まれます。ひとたび肺の構造破壊をまねくと元の状態には戻らないことが多く、肺を永く健康な状態に保つことが、健康寿命を延ばすことにつながります。
禁煙することや、各種のワクチン(新型コロナウイルスやインフルエンザ、肺炎球菌)接種などを通じて社会全体で肺を大事にしていきたいものです。
呼吸器内科 5つの柱

科長ご挨拶

阪神間の呼吸器疾患診療の拠点として
2024年4月から新しいスタッフが加わり正規医師6名、フェロー1名、専攻医5名の体制で診療を行っています。全国的に呼吸器内科の専門的な診療をおこなう施設は少なく、阪神間における呼吸器疾患診療の拠点としての役割を果たしていく所存です。入院診療では肺癌を主とした悪性疾患の治療に重点をおいております。良性疾患におきましては病状の評価、初期治療をおこなったうえ、慢性期治療においては近隣の病院や診療所との連携を深め、皆様のお役にたてるよう精進してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
対象とする主な疾患
肺癌
呼吸器センターとして呼吸器外科、放射線治療科と協力して集学的治療に取り組んでいます。またWJOG(西日本がん研究機構)をはじめとする日本全国の医療機関が取り組んでいる臨床研究に参加しており、対象となる患者さまには臨床研究への登録をお願いさせていただく場合もあります。
悪性胸膜中皮腫
尼崎市は石綿(アスベスト)関連の悪性胸膜中皮腫の患者さまが多数おられ、当院は全国有数(令和2年度:全国5位)の治療実績を上げています。
びまん性肺疾患
間質性肺疾患に対してCT等の画像検査に加えて、気管支鏡検査を行い治療方針決定に役立てています。当院のリウマチ膠原病科や腎臓内科とも協力しています。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
病院では呼吸機能検査や画像検査での診断・評価をすすめ、気管支拡張剤などによる治療面では近隣診療所とも連携を図っています。病勢進行時には在宅酸素療法や非侵襲的換気療法の導入も行っています。
気管支喘息
吸入薬の普及により重症患者は以前より減少していますが、それでもコントロール不良の場合に生物学的製剤(抗体製剤)による治療にも取り組んでいます。症状が安定しましたら近隣の診療所に治療をお願いしています。
感染症
2020年以降、新型コロナウイルスが世の中を席巻しましたが、古今東西をとわず気道感染症、肺炎は人類と縁のきれない疾患です。治療が必要な肺炎もありますし、終末期の症状として生じる肺炎もあります。繰り返す誤嚥性肺炎につきましては他院に転送をお願いする場合があります。
また結核も毎月新規の患者を診断しており、忘れてはならない疾患です。