パーキンソン病(早期)
~症状・経過・治療について~
監修;兵庫県立尼崎総合医療センター 脳神経内科
(令和2年度難病教室より)
パーキンソン病
パーキンソン病は中脳黒質の神経細胞が減少し、脳内のドーパミンが低下することでおこる病気。運動症状と非運動症状がある。
運動症状 | 4大症状
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非運動症状 |
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パーキンソン病のヤール重症度分類
1度 | 症状は片方の手足のみ |
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2度 | 症状は両方の手足に認める |
3度 | 姿勢反射障害が加わるが、介助不要 |
4度 | 日常生活に部分的な介助が必要 |
5度 | 車椅子での生活や寝たきりとなる |
必ずしもすべての患者さんが5度に進むわけではありません。
早期パーキンソン病の服薬調整
- パーキンソン病の早期は主にレボドパ製剤、ドパミンアゴニスト、一部のMAO-B阻害薬などを使用することで症状の改善を認める。
- 薬の種類や量は職業、年齢、症状、症状の左右差などから判断する。
- 症状はゆっくり進行するので副作用に注意しながら徐々に治療薬の量や種類を増やして調整する。
- 服薬と運動療法を組み合わせて行う。
パーキンソン病の薬剤
- ①
- レボドパ製剤(ドパコール、ネオドパストン、メネシット、マドパーなど)
- ②
- ドパミンアゴニスト(ニュープロパッチ、レキップ、ビ・シフロールなど)
- ③
- MAO-B阻害薬(エフピー、アジレクトなど)
- ④
- ゾニサミド(トレリーフ)
- ⑤
- COMT阻害薬(コムタン) ①+⑤の合剤(スタレボ)
- ⑥
- アマンタジン(シンメトレルなど)
- ⑦
- 抗コリン薬(アーテンなど)
- ⑧
- イストラデフィリン(ノウリアスト)
- ⑨
- 最近発売された薬
- ドパミンアゴニスト(ハルロピテープ)
- MAO-B阻害薬(エクフィナ)
- COMT阻害薬(オンジェンティス:2021年8月末まで処方は14日分のみ)
パーキンソン病薬の主な副作用や注意点
(個人差があり、記載以外のものもあります)
幻覚 | ジスキネジア | その他の主な注意点 | |
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①レボドパ製剤 | あり | あり |
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②ドパミン受容体 作動薬 |
あり | あり |
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③アマンタジン(シンメトレル) | あり | あり(予防になるともいわれる) |
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④抗コリン薬 | あり | あり |
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⑤ドプス | 余りなさそう | 余りなさそう |
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⑥MAO-B 阻害薬 | あり | あり |
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⑦COMT 阻害薬 | あり | あり |
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⑧トレリーフ | 少ないといわれる | 少ないといわれる |
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⑨ノウリアスト | あり | あり |
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